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ytc_17の日記

沢木耕太郎と村上春樹

 

 昔から好きだった沢木耕太郎村上春樹がおなじくらいの時期におなじくらいのボリュームのノン・フィクションの本を発売していた。

 

旅のつばくろ (沢木耕太郎 著)

単行本: 224ページ

出版社: 新潮社 (2020/4/22)

ISBN-13: 978-4103275213

発売日: 2020/4/22

 

猫を棄てる 父親について語るとき (村上春樹 著)

単行本: 101ページ

出版社: 文藝春秋 (2020/4/23)

ISBN-13: 978-4163911939

発売日: 2020/4/23

 

 どちらもおなじくらい好きな作家で、おなじくらい人生を通して読んできた。沢木さんについては「深夜特急」を90sに読んだのが最初だと思う。確か家に「チェーン・スモーキング」とか、「バーボン・ストリート」なんかがあってそれを読んだのがきっかけだった。「一瞬の夏」みたいなノン・フィクションもおなじだけれど、この人の書く小説にはあまり馴染めなかった。逆にエッセイや紀行文はおもしろいし、かっこよくて昔からよく読んでいた。「旅のつばくろ」については何年か前に軽井沢に小旅行に行った時、JR東日本の新幹線車内サービス誌「トランヴェール」をぱらぱらめくっていたら、たまたま沢木さんのショートエッセイがのっていて読んだのがきっかけだった。上越新幹線の無料の情報誌なんて大した期待をしていなかったのだけど、沢木さんの名前があったのでつい目をとめて読んでしまった。

 

 村上さんは最近「レキシントンの幽霊」という短編集のタイトルにもなっている短い小説を読み返していた。もう何度か繰り返し読んでいるのだけど、この人の文章も短編長編を問わずことあるごとに読み返しているような気がする。「ねじまき鳥クロニクル」というかなり長い長編小説を二十歳ぐらいのころにあっという間に読んでしまって、その読後感をいまでも憶えている。自分自身、読書家だと思ったことはないけれど、(三島や太宰や漱石なんてほとんど読んだことはない)あれだけの文量の小説を一気に読ませてしまう村上さんの文章というのはいま思い返しても本当に不思議だしすごいと思う。

 

 そもそも最寄りの書店にずらっと並べられている文庫の小説(特に現代小説)についてはまったく読みたいと思える作品がなくて、その分他のことに時間を吸収されてしまっている。この先もう二度と分厚い長編小説をいっきに通読するみたいな経験はできないような気がする。

 

 実のところ、まだこのお二人の最新刊については購読していない。いずれそういう気持ちになったら読んでみるかもしれない。 

 

 

旅のつばくろ 電子オリジナル版

旅のつばくろ 電子オリジナル版

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)
 

 

 

 

 

 

 

レキシントンの幽霊 (文春文庫)

レキシントンの幽霊 (文春文庫)