自意識の揺れ
作家の村上龍さんがゲスト出演していた爆笑問題のラジオ番組を聴いた。その中で出てきた「自意識の揺れ」という言葉。
中央線のホームに自殺を考えながら暗い顔をして佇んでいる中年男性がいるとして、その原因をどこに求めるのか。おなじモチーフでも人によって捉え方は違う。まだデビューしたての若い頃から龍さんと比較されてきた村上春樹さん。彼だったらそれを(おそらく)自意識の揺れだと表現し、龍さんだったらそれを早期退職で解雇されたからだと解釈するだろう、と。
iPhoneでなんとなく聴き流していたけれど、自分の中でうまく整理できなかった。龍さんは自分自身、作家としてそんな自意識の揺れを吹きとばしてくれるものが好きだと言っていたけれど、中央線のおじさんにとっては龍さんの書く小説なんて少しも影響を与えないんじゃないだろうか。それは龍さんの書く小説が無価値だというわけじゃない。そこに効く処方箋は、結局のところ、「経済」とそれのもたらす「自尊心」以外にありえないんじゃないだろうか。ベルベット・アンダーグラウンドの音楽や、ジミー・コナーズのテニスや、中田英寿のサッカーで(あるいは「半島を出よ」で)、おじさんの持つ「自意識の揺れ」は解消されるのだろうか。
あるいは小説という容れ物を実験の材料にしているのかも知れない。それならわかる気はする。それこそ無謀な、果てしない挑戦のようにも思えるけれど。
分岐点
来月で仕事が変わる。
もうこの一ヶ月ちかく、ずっとジョブズの言葉を反芻してきた。
☆☆
「あなたの(人生の)時間は限られている。 だから他人の人生を生きたりして無駄に過ごしてはいけない。 ドグマにとらわれるな。 それは他人の考えた結果で生きていることなのだから。 他人の意見が雑音のようにあなたの内面の声を かき消したりすることのないようにしなさい」
☆☆
あしたが人生で最後の日だと思って毎日を過ごすこと、たぶんその言葉の意味をまだ実感として理解していない。でも、それが真実なんだということはわかる。人間の人生には現在しかない。きっと、これからもずっと変わらないだろう。
もう何度も思う。いまが人生の大きなターニングポイントなんだ、と。だから動かなきゃいけない。動きつづけなきゃいけない。周りがどう思うかは関係ない。日本史という大きなくくりでも、自分の人生という小さなくくりでも、いま大きな流れの中にいる。あと十年か、二十年したら必ず「ああ、やっぱりあのとき(2,013年)大きな転換点にいたんだ」と振り返って思うはずだ。
獲得したいこと
ゴールデンウィーク
GW中に読了したい本が二冊ある。
一冊目は、
- 作者: 伊賀泰代
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/11/09
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本屋で軽く立ち読みした程度なので詳しい内容までは知らない。ただリーダーシップという言葉が誤解されていて、それはグループにひとりいればいいというものではなく、誰でも持つ必要があるという文章がひっかかった。
もう一冊は、サッカー選手の本。
- 作者: 長友佑都
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2011/05/25
- メディア: 単行本
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長友選手の生い立ちから、インテル加入まで書かれている。情熱大陸で取り上げられていた「下を向くことが何よりも嫌い」という彼の言葉が印象に残っている。母親の手ひとつで育てられ、イタリアでプロサッカー選手になるという小学生のころの夢を実現させた。
どちらも初版から時間が経っていて、タイトルこそ知っていたけど手に取ろうとまでは思っていなかった。ただ先日、最寄り駅前の本屋に行ったときたまたま立ち読みしたらおもしろそうだった。今週は二日間で仕事が終わるので、時間のある週末にでも読もうかなと思う。
ミスを取り返すには倍ぐらい貢献すればいい。下を向いている暇なんてない。本当にその通りだ。