bat & ball

ytc_17の日記

物価についての雑感

 

 平成十一年(1,999年)に初版発行の文庫本("村上朝日堂はいかにして鍛えられたか")を読んでいた。日本の物価はいろいろと高いですね、という話が少し気になった。まず東京から熱海までの片道高速料金で当時約3,500円もかかったと言っている。確かに高い。ちなみに東京駅からローカルの東海道線に乗って熱海までいくと2,023年現在で1,980円。乗り換えがゼロ回で約二時間ほどかかる。

 

 それから音楽CDについて。アルバム一枚が2,800円。これも1,999年当時。アメリカだと当時でも十ドル程度。日本の物価は高い、という話。結局、出版業界というのは再販制度というのを守られるためにそのような価格設定になってしまっているらしい。もちろん是非はあるだろうし業界の深いところまではわからない。アメリカにならってネット化、デジタル化すればどうなるのかもわからない。なぜ電子書籍と紙書籍が同一の金額設定なのか。

 

「良心的出版物」、「文化保護」それも確かに一理あるかもしれない。しかし、自分の最新出版物が税込で 2,980円 というのは適正な価格なんだろうか。よくわからない。古本屋や図書館にでまわってから読めたら読もうと思う。いや、それほど自分でももう読みたいとは思わないのかもしれない。結局その役も持ち回りにすぎないんだろうな、と思う。社会に権力があれば(結果的であるにせよ)それをひきずり下ろし、自分が権力にいすわると自己弁護をする。ずっとそんなことを繰り返してきたんだろう。中世から、近代から、現代まで。いつだっていつだって物事のあり方というのは変わらないのだ。声のない、言葉のない小市民からうわずみを絞りとってぐるぐるとまわりつづける世界。”文壇”からは距離を置いてきた、と言う。でも結局自分自身が”文壇化”しているようにみえる。尊敬しているのか、侮蔑しているのか、よくわからなくなってきた。雑感。